一般財団法人 東洋運勢学会

特集・節気刊運勢学

第最終回暦シリーズ 二十四節気・雑節

三須 啓仙

2月19日 雨水

〈雑節〉

 年間の季節の推移を知るために、二十四節気のほかに、節分や初午、節句など雑節といわれる特別な暦日があります。これらは私たちの生活のなかで、年間行事や民族習慣としてひろく利用されています。

節分  二十四節気の中で立春・立夏・立秋・立冬など季節の変わる節の前日をいったものですが、しだいに春(立春)だけに用いるようになりました。新暦では二月三日(四日)にあたります。節分は一年の最後の日ですから、年越し、年取り、追儺といって、神社仏閣をはじめ一般家庭では豆をまいて邪気を追い払う鬼やらいの行事があります。東洋の暦法では、この節分の日までが前年度(干支)の生まれになるのでご注意下さい。
初午  二月の初め午(十二支)のをいいます。京都伏見稲荷神社の祭礼が有名ですが、農業神として初午祭りをする神社は多いです。
上巳の節句  三月初めの巳の日をいったものですが、今では三月三日の雛まつりを桃の節句として祝うようになりました。女子の幸せを祈る行事で、桃の花を摘んで盃の中に入れる風習にちなんで桃の節句の名があります。
彼岸  春分の日、秋分の日を彼岸の中日として(昼夜の長さが同じ)その前後三日間をいいます。最近は彼岸といえば、暑さ、寒さの境目として意識されるだけで、彼岸欣求の仏心は少なくなったようです。この日、先祖の霊を供養し墓参などを行ないます。春は三月二十一日頃、秋は九月二十日頃にあたります。
八十八夜  五月二、三日頃で、これは立春から数えて八十八日目にあたる日をいいます。春霜もとれ以後は終わりをつげ、農業では種蒔きの大切な準備日となっています。
端午の節句  本来は端午とは、月の初めの午の日をいうわけですが、五月五日を端午の節句として三月三日の女子の節句と対応して男子の節句としました。いまは「子どもの日」の祝日。あやめの節句、端陽ともいいます。
入梅  中国では芒種から五日目を入梅といっています。六月十一日、十二日頃ですが、六月から七月初めにかけて、中国の揚子江一帯から日本にかけて雨季に入るわけです。
半夏生  梅雨が間もなく終わる頃、七月二日頃にあたる時期で、半夏生の天候で稲作の豊凶を占う習慣もあります。半夏生(薬草)はかたしろぐさといい、どくだみ科に属する多年草草木で、それが生える時季を半夏生といったのです。
七夕祭り  五節句の一つで七月七日の七夕を祭る行事です。銀河まつり、星祭りともいい、牽牛と織姫の伝説によることはご承知のとおりです。女子の裁縫や習字の上達を祈願して五色の短冊を笹につるしたり、七夕馬や七夕送りの行事もあります。
中元  お中元といえば贈り物が連想されますが、ほんらい中国では、正月十五日を上元、七月十五日を中元、十月十五日を下元と呼んで、合わせて三元としました。贖罪の日として終日庭で火を焚く習慣があったのです。今では盂蘭盆と重なるために中元だけが残って、ひろく贈答のしきたりとなっています。
盂蘭盆  ふつう『お盆』といわれ、七月十三日から十六日までで、墓参や迎え火、送り火、灯ろう流しなど仏教行事が行なわれます。地方によっては八月十三日から十六日まで、月遅れで行なうところもあります。
土用  一般には土用といえば、夏の土用をさいて七月二十日頃から立秋までの期間をいいますが本来は立春、立夏、立秋、立冬の前の十八日間を土用とし、一年に四度あります。土用中は、土を犯したりお灸をするのを忌む習慣が伝わっております。